2024年09月24日

お薬のはなし~先発品、後発品について

 後発医薬品(ジェネリック医薬品)とは、「生物学的同等性試験等にてその新薬と治療学的に同等であることが検証されているもの」とされています。同等とは、全く同じということではありません。後発品は、製造過程や添加物は先発品と同一である必要はなく、先発品と比べて効果が劣ったり、副作用が強く出たりする可能性があります。特に外用薬については、患者さんの使用感などに違いが出やすい傾向があります。
 さらに、薬局で出される後発品がどういうものになるのか、処方する医師は全く分かりません。後発品の中には効果や副作用などが先発品と差があるものが含まれている可能性があることを認識していただきたいと考えています。
 後発品の中には、「オーソライズド・ジェネリック(AG)」という、先発医薬品メーカーから許諾を得て販売される医薬品があります。ただし、AGにも基準があり、下記の3通りに区分されます。つまり、先発品と中身が同じなのはAG1だけになります。
 AG1:先発医薬品と同じ原薬、添加物、製法、工場、技術を用いて製造。
 AG2:先発医薬品と同じ原薬、添加物、製法を用いて製造。
 AG3:先発医薬品と同じ添加物、製法を用いて製造。

 こうしたことから、純粋に患者さんの身体、健康のことを考え、当院では先発品の使用をおすすめしています。後発品が推奨されている理由は、あくまでも国や保険組合が負担する医療費を削減するためです。患者さんの健康を主眼にした政策ではないのです。
 患者さんに先発品を使っていただくことで、患者さんも医師も安心して治療を進めることが出来ると考えています。
 具体的には、薬局の窓口で処方箋を渡す際に「先発品でお願いします」、「先発品、もしくはAG1でお願いします」などと口頭で伝えれば問題ありません。

 患者さんお一人お一人が、ご本人の身体のことを良く考え、正しい情報を得たうえでお薬を選んで頂ければ幸いです。

たかおか耳鼻咽喉科クリニック 院長 高岡卓司

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